No.12 カリフォルニア州立大学
記事No.12
氏名
T.I.
八高(八代中)卒業年次
八高69回(八代中3回)卒
大学・学部・学科/卒業年
カリフォルニア州立大学ロングビーチ校 ビジネス学部会計学科/2021年12月卒業
California State University, Long Beach, College of Business, Department of Accountancy
現在の職業や所属
税理士(日系の会計事務所で税務をしています)
八高時代の自分
小、中、高と吹奏楽部に所属しており、本当に部活のために学校に行っているような部活第一の生徒でした。授業以外のほぼ全ての時間を部活に捧げていたので、その分授業中は授業内で全てを理解しようと真面目に聞くようにしていました。また、将来英語を話せるようになってとにかく世界中を旅行したいと思っていたので、熊本県の主催する海外チャレンジ塾に参加していました。
進路の決め手
高校生の時は具体的な進路目標があったわけではなく、クルーズ船で働いて世界を旅したいと思っていたことと英語が出来るようになりたいという強い願望があったので、英語で接客業を学べる大学を中心に探していました。進路選択のきっかけは、高校2年生から海外チャレンジ塾に参加したことです。この取り組みは海外大学への進学やグローバル人材の育成を目的としており、海外大学に進学する上でどういった選択肢があるのかや実際に海外の大学に進学をされた先輩の話を聞く機会が沢山ありました。それまでは英語で授業を受けられたり、留学生が多い大学に行くことも考えていたのですが、自分の行きたいと思える大学が中々見つからなかったため、妥協して日本の大学を選ぶよりは英語圏の大学に進学したほうが効率的に英語と勉強したいことを学ぶことができると思い、海外進学を決断しました。
アメリカを選んだ理由は単純で、英語を話す国の中で比較的簡単に大学に入学できることと、大学で学びたいことが不明確だったからです。アメリカの大学は入学後に専攻を簡単に変えられたり、二重専攻、三重専攻が可能だったり、リベラルアーツという、一つの分野にとらわれず自由に授業を取ることができる専攻があり、とても自由です。そのため、やりたいことが漠然としていた私に合っていると感じ、アメリカに行くことを決めました。
受験方法
海外進学の魅力とハードル
私は中学・高校で異文化交流のできるイベントに積極的に参加したり、海外旅行の経験があったことから海外進学自体には抵抗がほとんどありませんでした。私の一番の不安要素は自分の英語が通じるかということだったのですが、結論、通じなくても生きていけたし、四年も海外にいれば自然に上達しました。笑 また、留学中に日本人の友達を作ることは良くないと思う方も多いと思いますが、私はそうは思いません。私は自分より英語が上手な友達を通じて現地の人と仲良くなる機会が増えたり、母国語で情報を共有できたことで、授業選択や就活などの幅が広がり、より充実した生活を送ることができました。英語力に関しては、授業は全て英語ですし、教授とのやり取りからビジネス英語が身についたり授業はグループワークがとても多いのでコミュニケーション力も自然に身に付きました。
アメリカに関しては、大学の学費は日本に比べると高く、国公立でも日本の私立の倍ほどかかります。しかし、アメリカには給付型の奨学金を出してくれる大学がとても多く、特に生徒の少ない内陸の州では留学生でも学費を全額負担してくれる学校が多数あります。(実際に私も全額ではないのですが奨学金を頂くことができました。)また、私は金銭的負担を少しでも減らすため、最初の二年間は四年制大学の学費の半分以下で通うことのできる二年制大学に通っていました。加えて基本的に留学生のアルバイトは認められていないのですが、学校内でのアルバイトは許可されているのでカフェテリアや日本語のチューター、事務の仕事など、働くことは出来ます。また、学校から許可が下りると自分の専攻に関係のある企業でのインターンシップなども可能です。もちろん相対的に見てアメリカへの大学進学の方がコストはかかります。しかし、様々な方法でその負担を減らすことができるということを知っていただけると嬉しいです。
受験方法
<受験に向けて取り組んだこと>
私は日本の大学は受験していないのですが、センター試験までは周りの受験生と同様に勉強し、特に英語はセンター試験で満点を取ることを目指して勉強していました。また、海外チャレンジ塾の取り組みの一環で週に一回無料で完全英語のTOEFL対策講座を受けることができたので、その授業に参加しWritingやSpeakingの練習を集中的に行っていました。
<入試形式>
私は直接大学に入学せずに語学学校、二年制大学(community college)、四年制大学(University)の3年次に編入という形で進学したのですが、二年制大学に入学するためには志望動機や将来の夢についてのエッセイと一定の英語力の証明が必要だったため、TOEICやTOEFLなどを受験する代わりに語学学校に行き、一定のレベルを超えたあとに入学できるというシステムで入学しました。二年制大学への入学は基本的に簡単ですが、四年制大学への編入には、学校の成績はもちろん、必要単位の取得、ボランティア活動歴、大学によってはエッセイの提出などが必要で入学までの活動歴がとても重要になります。
アメリカでの略歴
2017年3月 高校卒業
2017年4-6月 語学学校
2017年8月~2019年5月 二年制大学(ホスピタリティー/観光学専攻半年、ビジネス専攻一年半)
2019年8月~2021年12月 四年制大学(会計学専攻)
大学で学んだことや思い出
大学の思い出は「勉強」です。アメリカの大学は入学は簡単な反面、卒業が難しいと言われるように課題の量がとても多くテストも難しいです。そのため、学生時代は週に6日図書館に通い一日3~6時間勉強していました。これだけ聞くとつまらない様に聞こえるかもしれませんが、私と同様に毎日図書館に通っている友達が沢山いたので、勉強の合間にご飯に行ったりビーチに夕日を見に行ったり毎日とても楽しかったです。また時間
に余裕のある夏休みなどの長期休みは必ずロードトリップに行き、車でアメリカ中を旅行していました。
自分の大学・学部の魅力、選ぶ際の注意点
私の大学に限らずアメリカの大学はとても自由で学部の縛りもなければ授業の規模も200人越えから30人以下の少人数もあり、授業時間も朝7時から夜10時まで様々で、自分の生活や学びたいことにあった授業を選択できることが魅力です。またグループワークが多いのでクラスメイトとも仲良くなる機会が多いと思います。
一方で、大学や学部によって成績の付け方や学位取得に必要な単位数が違ったり、奨学金の有無や留学生のための制度やサービス、イベントの充実度なども重要になってくると思います。
現在の仕事について
現在は大学で専攻していた会計の仕事に就きたいと考えアメリカにある日系の会計事務所で税務の仕事を行っています。アメリカは実力主義といわれるように、就活においてその分野の知識や経験がとても重視されます。そんな中、私がこの選択をしたのは、給与水準の高さや休みの取りやすさ(大好きな旅行がしやすい)です。それに加え、敬語という概念のない英語を使って働く方が素の自分を出しやすいと感じました。実際に、自分に合っているアメリカを選んだことで先輩や目上の方と接するときにも謙遜しすぎずのびのびと働く事が出来ています。
また、就活を通して一番感じたのは、やりたいことに力を入れていれば必ず将来に繋がるということです。私の場合は大学時代にした「勉強」が役に立って就職に繋げることができました。なので、今からでも大学に入った後でも学業なり、ボランティアなり、趣味なり、何かしら打ち込めるものを見つけておくといいのかなと思います。
現役八高生へのメッセージ
私の海外進学の体験談から少しでも皆さんの進路選択の幅が広がるといいなと思っています。海外進学に限らず何事もいっぱい調べて理解を深めていくことで選択肢はどんどん増えていくし、無理だと思っていたことも案外現実的だったりします。私が高校生の時はまさか自分が将来海外で働くことになるとは思ってもいませんでした。でもアメリカの大学に進学したことでその先の選択肢も結果的に広がりました。だから今はまだいろんな可能性を捨てず、ちょっとでも興味があることがあれば調べてみたり周りの人に聞いてみたりしてください。何かが見つかるかもしれません。
もし、海外の大学に興味はあるけど情報が全然ない!全部英語で分からない!という方がいたら喜んでお手伝いするのでいつでも連絡くださいね☺